SOC 2対応のAI会議アシスタント:2026年の選び方
購買担当者のための率直なガイド。SOC 2バッジの意味、報告書の確認方法、SOC 2を表明するツールを、日付つきの事実でまとめました。
この記事の内容
厳密には「SOC 2認証」を受けたAI会議アシスタントは存在しません。SOC 2は独立した公認会計士事務所(CPA)が発行する監査報告書であり、認証ではないからです。Fireflies、Otter、Granola、Fathom、Noota、Modjo、MeetGeek、tl;dvはSOC 2タイプIIを表明しています。報告書を取り寄せ、種類、対象期間、範囲を確認してください。
私たちはRelineの開発元です。ベンダーによるガイドとしてお読みください。Relineは現時点でSOC 2報告書を持っていません。代わりに何があるかは後半で説明します。他社に関する情報はすべて各社自身のページに基づき、2026年10月22日に確認したもので、変わる可能性があります。
SOC 2とは何か
SOC 2は、米国公認会計士協会(AICPA)の枠組みです。独立した監査法人が、トラストサービス規準に照らしてサービス提供者の統制を評価します。規準はセキュリティ、可用性、処理のインテグリティ、機密保持、プライバシーの5分類で、セキュリティは必須、残り4つは提供者が選びます。最後に監査人が意見を報告書にまとめ、通常はNDAのもとで顧客に開示されます。
タイプIとタイプII:重要な違い
| SOC 2 タイプI | SOC 2 タイプII | |
|---|---|---|
| 評価の対象 | 特定日時点での統制の設計 | 一定期間における統制の設計と運用の有効性 |
| 対象期間 | なし(その時点のスナップショット) | 通常3〜12か月 |
| 証明できること | その時点で統制が適切に設計され、導入されていること | 統制が実際に機能したこと(例外事項も記載) |
| 企業の調達では | 最初の一歩。十分であることは少ない | 多くのセキュリティチームが求めるもの |
Microsoftのドキュメントは簡潔にこう説明しています。タイプ1の監査は、一定期間をさかのぼって評価するものではありません。MicrosoftはOffice 365を10月1日から9月30日までの12か月の期間で監査し、報告書と報告書の間の空白を「ブリッジレター」で補っています。ブリッジレターは監査人の報告書ではなく、Microsoft自身による表明です。
「SOC 2認証」が正確でない理由
ISO 27001は認証です。認証機関が情報セキュリティマネジメントシステムを認証し、3年間有効な証明書を発行します。SOC 2は保証報告であり、システムを記述して意見を述べる報告書です。ベンダーは「SOC 2認証」とよく言いますが、正しい質問は「最新のSOC 2タイプII報告書を送っていただけますか」です。日本ではISMS(ISO 27001)認証や、政府調達向けのISMAPを求められることもあります。
SOC 2報告書を15分で読む方法
- 種類と期間:タイプIIで、対象期間の終了から12か月未満であること。そうでなければ、空白期間をカバーするブリッジレターを求めます。
- 範囲(システムの記述):会議アシスタントとそのAI機能は含まれていますか。報告書が中核プラットフォームだけを対象とし、新しい製品を外していることもあります。たとえばZoomは、報告書の範囲にAI Companionを明記しています。
- 対象となる規準:セキュリティのみか、機密保持とプライバシーも含むか。会議の録音では、この2つが重要です。
- 監査人の意見:無限定意見が通常の想定です。限定付き意見であれば、書面での説明を求めましょう。
- 例外事項と経営者の回答:いくつかの例外は普通です。重要なのは、その内容と是正方法です。
- 再委託先:ホスティング、文字起こし、AIの提供者。範囲から除外(カーブアウト)されている場合は、それぞれの報告書を求めます。
- 利用者側の統制(報告書に記載される「補完的なユーザー組織統制」、CUEC):SSO、アクセスレビュー、退職者の処理。報告書は、利用者がこれらを実施している前提で書かれています。
NDAなしでは完全な報告書がもらえない?それが普通です。公開用のはるかに短いSOC 3報告書を出しているベンダーもありますが、セキュリティ審査でSOC 2の代わりにはなりません。
SOC 2を表明しているAI会議アシスタントは?
次の表は、各社が自社ページで述べている内容を2026年10月22日に確認したものです。ベンダーの表明であり、私たちの監査ではありません。証拠になるのは報告書そのものだけです。
| ツール | SOC 2(ベンダーの表明) | その他の枠組み | データの保管場所(ベンダーの表明) | 確認したページ |
|---|---|---|---|---|
| Fireflies.ai | SOC 2 タイプII | ISO 42001、HIPAA(BAAはPrivate Storage付きEnterprise) | Private Storage(Enterprise)で保管場所を選択可能 | fireflies.ai/security |
| Otter.ai | SOC 2 タイプ2 | ISO 27001/2の枠組みに基づくポリシー(認証の表明なし) | AWS。データ所在地の選択肢の記載なし | otter.ai/privacy-security |
| Granola | SOC 2 タイプ2 | DPAは依頼に応じて提供 | 米国のAWS | granola.ai/security |
| Fathom | SOC 2 タイプII | HIPAA。ISO 27001はなし | 米国 | help.fathom.video |
| Noota | SOC 2 タイプII | ISO 27001 | 欧州の顧客:ベルギーとオランダのデータセンター | trust.noota.io |
| Modjo | SOC 2 タイプII | その他の記載なし | フランスのAWS | modjo.ai(Trust Center) |
| MeetGeek | SOC 2 タイプII(2023年に発表、2026年3月にページ更新) | そのページに記載なし | そのページに記載なし | MeetGeekのブログ |
| tl;dv | SOC 2 タイプII(以前からあるEnterpriseページにはタイプIの記載が残る) | 記載なし | データセンターは欧州。AIのホスト先は欧州か米国を選択可能 | tldv.io/features/security-commitment |
| Jamie | SOC 2 タイプII「pending」(取得中) | ISO 27001 | EUでホスト | meetjamie.ai/pricing |
| Leexi | 言及なし | ISO 27001 | データは欧州で保管 | leexi.ai/en/security |
| Zoom AI Companion | ZoomのSOC 2タイプ2報告書の範囲内(セキュリティ、可用性) | HITRUST | そのページに記載なし | zoom.com(SOC 2 + HITRUST) |
| Microsoft Teams | Office 365のSOC 2タイプ2報告書の範囲内 | Copilotの機能がシステムの記述に含まれるか要確認 | 多くのサービスで顧客がリージョンを選択 | learn.microsoft.com |
| Reline | なし。SOC 2タイプIIはロードマップ上 | ISO 27001なし、HIPAAのBAAなし | 米国(EU標準契約条項) | reline.so/security |
表の読み方:SOC 2タイプIIが調達の条件なら、Fireflies、Otter、Granola、Fathom、Noota、Modjo、MeetGeek、tl;dvが表明しています。報告書を請求してください。JamieはタイプIIを取得中です。SOC 2タイプIIと欧州でのホスティングを両方求めるなら、Noota、Modjo、tl;dvが両方を表明しており、NootaはISO 27001も表明しています。社内の会議プラットフォームで足りるなら、ZoomとTeamsのAI機能は、範囲次第でプラットフォームの報告書を引き継ぎます。
SOC 2が扱わないこと(法務・個人情報担当が確認する点)
- GDPR。SOC 2報告書は、第28条の処理契約、法的根拠、録音される人への通知の代わりにはなりません。
- データの保管場所と移転。SOC 2はデータがどこに置かれるかを述べません。米国のベンダーを使うEU企業には、データプライバシーフレームワークや標準契約条項といった移転の仕組みが必要です。
- モデルの学習。優れたSOC 2報告書を持ちながら、匿名化したデータでモデルを学習させるベンダーもあります。たとえばOtterのプライバシーポリシーにはそう書かれています。DPAとプライバシーポリシーを読みましょう。
- 保存期間。音声、文字起こし、議事録はどのくらい保存され、削除は完全に行われるのか。
- 参加者の同意。ボットが見える場合でもボットなしの録音でも、参加者全員に知らせる義務はあなたに残ります。
- 将来のこと。報告書は過去の期間を記述します。その後の変更(新しいAI機能、新しい再委託先)は含まれません。
GDPRの詳細(DPA、データ移転、保存期間、従業員代表)は、GDPRに準拠したAI議事録ツールのガイドをご覧ください。IT部門が使う完全なチェックリストは、承認チェックリストにまとめています。
ベンダーに尋ねるべき質問
- 最新のSOC 2タイプII報告書と現在のブリッジレターを送っていただけますか。
- 会議アシスタント、文字起こし、AI機能は範囲に含まれていますか。
- セキュリティ以外にどの規準が対象ですか。
- 監査人はどんな例外事項を指摘し、どう是正しましたか。
- 音声と文字起こしを扱う再委託先はどこで、どの国にあり、それぞれ報告書を持っていますか。
- データはどこで保存・処理され、どの移転の仕組みに基づいていますか。
- 私たちの会議でモデルを学習させますか。AIの提供者にはそれが許されていますか。
- DPAは私たちが購入するプランに適用されますか。それともEnterpriseのみですか。
Relineの実際の立ち位置
Relineは現時点でSOC 2報告書を持っていません。SOC 2タイプIIはロードマップ上にあり、ISO 27001やHIPAAのBAAもありません。SOC 2タイプII報告書が調達の必須条件であれば、現時点でRelineは適した選択肢ではありません。
Relineがセキュリティページで公開している内容は次のとおりです。すべてのリクエストでTLS 1.2以上、データベースと録音の保存時暗号化、初期状態で非公開のノートと5段階の権限、すべてのノートに追記専用のアクティビティログ(全プラン)、Enterpriseではワークスペースの監査ログ、EnterpriseではGoogleとMicrosoftのSSOを依頼に応じて提供。DPAはreline.so/dpaで署名済みで、再委託先一覧は公開されており、Relineはお客様のデータでモデルを学習させません。データはEU標準契約条項のもと米国でホストされます。セキュリティ資料はNDAのもとで共有します。
製品面では、Relineはマイクとシステム音声をローカルで取り込み、通話にボットは参加しません。文字起こし、AI、保存はクラウドで行われます。見えるボットが本当の問題なら、ボットなしのAI議事録ツールの比較(フランス語)で選択肢を紹介しています。
よくあるご質問
- AI会議アシスタントは「SOC 2認証」を受けられますか?
- 厳密には受けられません。SOC 2は保証報告であり、独立した監査法人が提供者の統制を評価して、報告書で意見を述べるものです。慣習的に「認証」と呼ばれますが、求めるべきは対象期間と範囲が明記された最新のSOC 2タイプII報告書です。
- SOC 2のタイプIとタイプIIの違いは?
- タイプIは特定日時点での統制の設計を評価します。タイプIIはそれに加えて、通常3〜12か月の期間に統制が有効に運用されたかを評価します。企業の調達では、多くのセキュリティチームがタイプIIを求めます。
- SOC 2を持つAI会議アシスタントはGDPRに準拠していますか?
- 自動的には準拠しません。SOC 2は第28条の契約、法的根拠、データの保管場所、EU域外への移転、参加者への通知を扱いません。GDPRは個人情報保護の担当者と別途確認してください。法的助言ではありません。
- ベンダーのSOC 2報告書はどうやって入手しますか?
- トラストセンターかセキュリティチーム経由で入手します。完全な報告書はほぼ必ずNDAのもとで共有されます。公開用の短いSOC 3報告書がある場合もありますが、セキュリティ審査でSOC 2の代わりにはなりません。
- SOC 2とISO 27001のどちらを求めるべき?
- 両者は大きく重なります。ISO 27001は欧州や日本でよく求められる国際認証で、SOC 2は米国の購買担当者が期待する基準です。2026年10月22日に確認したツールでは、Nootaが両方を、LeexiとJamieがISO 27001を表明しています。
- RelineはSOC 2認証を取得していますか?
- いいえ。Relineは現時点でSOC 2報告書を持っておらず、SOC 2タイプIIはロードマップ上にあります。Relineは通信時と保存時にデータを暗号化し、ノートを初期状態で非公開にし、DPAに署名し、再委託先を公開し、セキュリティ資料をNDAのもとで共有しています。
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