面接のメモの取り方:テンプレート、守るべきルール、AI活用
面接中に書いたメモは、候補者が開示を求められる記録になります。だからこそ、事実だけを残しましょう。
この記事の内容
面接で良いメモを取るとは、職務に関係する事実を書くことです。投げかけた質問、候補者が挙げた具体例、重要な場面での本人の言葉そのまま、そして評価基準ごとのスコアと一行の根拠。あいまいな印象や、差別につながる属性に触れることは一切書きません。候補者が後で読むつもりで書いてください。実際に開示を求められることがあります。
面接の前に:質問だけでなく評価の枠組みを用意する
良いメモの半分は、候補者が来る前に決まります。枠組みがないと、面接官はそれぞれ印象に残ったことだけを書き、同じ面接の記録同士を比較できなくなります。共通の枠組みがあれば、全候補者について同じ項目を記録でき、比較はより公平に、判断はより説明しやすくなります。
- 職務記述書から評価基準を3〜5個選びます(プロジェクト管理、顧客対応、特定ツールの習熟など)。フランス労働法典L1221-6条は、候補者に求める情報を、職務遂行能力や職業上の適性を評価するためのもので、職務と直接かつ必要な関係があるものに限っています。
- 基準ごとに質問を1〜2個用意し、全候補者に同じ順番で同じ質問をします。
- 1〜5のスケールを決め、各段階を一文で定義します。1=具体例なし、3=具体例はあるが部分的、5=測定可能な成果を伴う詳しい具体例が複数。
- 各基準に「評価せず」の欄を設けます。推測で付けた点数より、正直な空欄のほうが価値があります。
- 面接を録音したりAIツールを使ったりする予定なら、事前に書面で候補者に伝えます(後述)。
面接中に:具体的に何を書くか
書くのは起きたことであり、あなたの結論ではありません。STAR法を使うと素早く書けます。具体例ごとに、状況(Situation)、候補者が担った課題(Task)、本人が取った行動(Action)、その結果(Result)。重要な発言は、すでにあなたの意見に寄った言い換えではなく、本人の言葉のままかぎかっこで書き留めます。
| 観察できる事実(書く) | 解釈(そのままでは書かない) |
|---|---|
| 「40社分の顧客アカウント移行を3か月で引き継ぎ、一人で指揮しました」 | 「とても良い人材」 |
| 追加で質問しても、意見の対立を解決した例は出なかった | 「対立を避けるタイプ」 |
| 回答の前に予算範囲について2点確認した | 「自信がなさそう」 |
| プロジェクトを12日と見積もり、各項目の根拠を説明した | 「よく分かっている人」 |
面接記録に絶対に書いてはいけないこと
問題になるメモは2種類あります。1つ目は、事実の裏付けがない印象です。「相性が悪い」「覇気がない」「チームのカラーに合わない」。理由のように見えても何も証明せず、判断に異議が出たときに真っ先に弱点になります。それぞれを、その印象を生んだ行動に書き換えるか、削除してください。
2つ目はより深刻で、差別につながる属性に触れるものすべてです。フランス労働法典L1132-1条は、これらを理由に採用手続きから人を排除することを禁じており、多くの国に同様のリストがあります。メモに書けば、それが判断に影響したかもしれないという記録が残ります。書かない、推測しない、スコアに影響させない:
- 出身、民族・国籍・いわゆる人種への実際の、または推定上の帰属、姓、居住地
- 年齢、性別、性自認、性的指向
- 家族状況、妊娠
- 健康状態、障害、自立度の低下、遺伝的特徴
- 外見
- 政治的意見、宗教的信条、労働組合活動、公選職
- フランス語以外の言語を話す能力、取引銀行、経済的困窮、内部通報者であること
CNILは面接で禁止される質問の例も挙げています。家族に関する情報、子どもを持つ予定、社会保障番号や銀行口座情報(派遣など特別な場合を除く)、居住地(オンコール勤務がある職種を除く)。聞いてはいけなかった情報は、メモにも書くべきではありません。
| 危険なメモ | 事実ベースの書き換え |
|---|---|
| 「若くて元気」 | 「前職で3つのプロジェクトを並行して指揮。例:3月のローンチ」 |
| 「子ども2人、出張は大丈夫?」 | 何も書かない。出張が職務に含まれるなら全員に同じ質問をし、「求人票にある月1回の出張に対応可能と回答」と記録 |
| 「チームのカラーに合わない」 | 「自律性:2/5、途中承認なしで進めたプロジェクトの例なし」 |
| 「能力が高すぎて飽きそう」 | 「チームのマネジメントを希望。本ポジションには含まれない」(本人が述べた希望) |
| 「なまりが聞き取りにくい」 | 何も書かない。職務上本当に必要で、全員を同じ方法で評価する場合を除く |
採用面接の記録テンプレート(コピーして使える)
おすすめの枠組みです。1ページに収まり、面接中とその後10分で埋められ、すべてのスコアが事実に基づくように作られています。
| 項目 | 書く内容 |
|---|---|
| ヘッダー | 職種、日付、形式(対面またはビデオ)、面接官、メモや録音について候補者に伝えたか(はい、日付) |
| 評価基準(基準ごとに1行) | 質問内容、挙げられた具体例(状況・課題・行動・結果)、重要なら本人の発言そのまま、1〜5のスコア、一行の根拠 |
| 評価しなかった基準 | 「評価せず」とその理由(時間不足、次の面接で予定) |
| 候補者からの質問 | 何を聞いたか。職務をどう理解しているかが分かる |
| 確認事項 | 技術課題、リファレンス(本人の同意を得て)、次の面接で深掘りするテーマ |
| 事実ベースのまとめ | 観察した強み3つと注意点3つ、それぞれに根拠となる事実 |
| 提案と決定者 | 次のステップの提案(次の面接、内定、不採用)と、決定する人の名前 |
| 保存期間 | 社内ポリシーに基づく削除予定日 |
プロジェクトマネージャー職の記入例:
| 評価基準 | スコア | 観察した事実 |
|---|---|---|
| プロジェクト推進 | 4/5 | バックオフィス刷新、8か月、5名。2か月の遅延と、交渉して決めた新スケジュールを説明 |
| 顧客対応 | 3/5 | 不満を持つ顧客の明確な例が1つ。どう決着したかは語らず |
| Excel上級 | 評価せず | 話題に出ず。二次面接で課題を出して確認 |
ユーザーインタビュー・調査インタビュー:同じ習慣、違う目的
ユーザーインタビューや定性調査、フィールド調査では、相手を評価するのではなく、何をしているのか、なぜなのかを理解しようとします。「話されたこと」と「あなたの結論」を分けるという規律は同じですが、枠組みが変わります。
- 発言はそのままかぎかっこで、会話のどの時点で出たかと一緒に書く。
- 相手が今実際にしていることと、するだろうと言っていることを分ける。後者ははるかに当てになりません。
- 具体的な回避策や不満(「毎週月曜に全部Excelに書き出して…」)。
- あなたの仮説は別の列に書き、事実と混ぜない。
- 共有するメモでは名前の代わりに参加者コード(P1、P2)を使う。
GDPRの考え方も同じです。インタビューの目的、録音の有無、誰がアクセスできるか、どのくらい保存するかを参加者に伝え、録音への同意をヘッダーに記録します。その先については、ユーザーインタビューの統合に関するガイドで、都合のよい発言だけを拾わずに10件のインタビューから結論を導く方法を解説しています。
AIで面接メモを取る:通話にボットを入れずに
書きながら聞くと、どちらも少しずつおろそかになります。面接を録音すれば、候補者の顔を見て、適切なタイミングで深掘りし、後から実際に話された内容をもとに記録を書けます。一般的なツールの問題はボットです。「Notetaker」という参加者がビデオ通話に入って候補者の前に表示され、しかも対面の面接では入る通話がないので役に立ちません。
Relineはあなたの側で録音します。アプリがあなたのマイクとパソコンの音声を、macOS、Windows、Linux(ベータ版)またはブラウザで取り込みます。ボットが通話に参加することはなく、会議室での面接もパソコンのマイクで同じように録音できます。文字起こしは日本語やフランス語を含む60以上の言語に対応し、言語は自動で判別されます。ビデオ通話では、あなたのマイクと通話音声を分けて表示します(自分と相手)。発言を確かめたいときは、その文字起こしの行で再生を押せば、その瞬間をもう一度聞けます。
正直に言うと、ローカルなのは録音の取り込みだけです。文字起こし、AI要約、保存はRelineのクラウドでデータ処理契約(DPA)のもとで行われ、会議のデータが第三者のモデルの学習に使われることはありません。
録音する場合にCNILとAI Actが求めること
- 途中ではなく事前に伝える。CNILは、候補者に事前に知らせずに採用面接を撮影・録音することを不公正な収集としています。フランス労働法典L1221-9条は、事前に知らされていない方法で候補者の情報を収集することを禁じ、L1221-8条は使用する選考手法を候補者に知らせることを求めています。
- 必要性を説明できるようにする。CNILのガイドは、ビデオでも対面でも、具体的な理由がない限り音声や映像を保存する必要はないとし、特別な理由がなければ採用決定後まで保存する必要はないとしています。
- 最小限にとどめる。選んだツールの責任は採用側にあります。ベンダーが候補者のデータを採用以外の目的で処理しないか確認してください。
- 感情分析はしない。2025年2月2日以降、AI Actは職場で人の感情を推測するAIシステムを禁止しており(第5条)、欧州委員会の拘束力のないガイドラインは、これを採用にも当てはめています。Relineは話された内容を文字起こしして要約するだけで、声から感情を分析することはありません。
- 判断は人が行う。AI Actは、人の採用や選考を目的とするAIシステムを高リスクに分類しています(附属書III)。面接を文字起こしして要約するツールがこれに当たるかは使い方によって異なり、個別に判断が必要です。AIの出力は判定ではなく、あなたが読み、修正し、責任を持つ下書きとして扱ってください。
7つのステップで実践する
- 招待メールで、AIを使ったメモ取りを伝えます。目的(面接記録)、アクセスできる人、保存期間、断ってもよいこと。
- 面接の冒頭で、口頭でもう一度確認します。断られた場合は同じ枠組みで手書きのメモを取り、評価には影響させません。
- パソコンでRelineの録音を開始します。ボットが通話に参加することはありません。
- 面接中は、基準ごとのスコアと追加質問だけを書きます。残りは音声が記録します。
- 面接後、「候補者スコアカード」のLensを使うか、自社の基準で独自のLensを作ります。話題に出たことだけを評価し、それ以外は「N/A」とします。標準のLensにはカルチャーフィットの項目があるので、事実で裏付けられないなら削除してください。読み直し、修正し、基準外の記述は消します。
- メモは面接官のチームとだけ共有します。Relineのメモはデフォルトで非公開です。ワークスペースでの役割だけではアクセスできず、閲覧者ごとに明示的で取り消し可能な権限を付与します。
- ポリシーで定めた期限が来たら(音声は、特別な理由がない限り遅くとも採用決定時)、書面の記録を候補者ファイルに写し、録音を含むRelineのメモを削除し、ゴミ箱からも削除します。録音はメモと一緒に消え(録音だけを削除することはできません)、ゴミ箱に残したメモが完全に削除されるのは30日後です。
「始める前に、ご了承いただければ、面接記録を作るためにこの会話を録音させてください。音声は私のパソコンで取り込み、通話にボットは参加しません。その後AIツールで文字起こしします。アクセスできるのは選考メンバーだけで、録音は選考結果が決まった後に削除します。手書きのメモのほうがよろしければ、もちろん大丈夫です。選考には一切影響しません。」
メモをどれくらい保存し、誰が読めるようにするか
不採用の候補者について、CNILのガイドは3つの期間を示しています。不採用の理由を説明できるよう、選考終了から最長3か月。人材プールに登録する場合は、本人の同意、または明確な通知と簡単に拒否できる権利を前提に、最後の連絡から最長2年。証拠保全のための中間保存として、決定から最長5年。録音そのものについては基準がより短く、特別な理由がない限り採用決定までです。国によって期間は異なります。ルールを文書にし、全員に適用し、予定日に削除してください。
保存期間と同じくらい、アクセス管理も重要です。候補者の記録は社内全員が読める必要はなく、判断に関わる人だけが読めれば十分です。それがRelineの標準です。明示的に付与されたアクセスがなければどのメモも見えず、管理者向けの裏口もありません。
面接のメモの取り方は4つのルールに集約されます。全員に同じ枠組み、印象ではなく事実、差別につながる属性には触れない、候補者に見せられるメモ。事前に伝え、判断を人が行い、役目を終えた音声を削除する限り、AIは聞くことを犠牲にせずにこれらのルールを守る助けになります。
よくあるご質問
- 採用面接ではどうやってメモを取ればいいですか?
- 共通の枠組みを用意します。職務記述書から3〜5個の評価基準、全員に同じ質問、段階ごとに定義した1〜5のスケール。面接中はSTAR法で具体例と重要な発言をそのまま書き、他の面接官と話す前に、基準ごとに根拠のあるスコアを付けます。
- 面接記録に書いてはいけないことは何ですか?
- 事実の裏付けがない印象(「相性が悪い」など)と、差別につながる属性に触れることです。フランス労働法典L1132-1条でいえば、出身、年齢、性別、家族状況、妊娠、健康、障害、外見、意見、宗教、居住地などが含まれます。候補者に聞いてはいけなかった情報は、メモにも書かないでください。
- 候補者は面接のメモを見せてほしいと求められますか?
- 原則として、はい。候補者についてのメモは個人データであり、CNILの採用ガイドによれば、候補者は評価シートやコメントを含め、判断の根拠となったデータの開示を求めることができます。採用側は要旨を渡すことができ、他の面接官を特定できる情報は削除します。法的助言ではありません。
- 採用面接をAIで録音してもいいですか?
- 候補者に面接前に伝え、必要性を説明できるなら可能です。CNILは事前の通知なしの録音を不公正な収集としており、ガイドでは特別な理由がない限り採用決定後まで音声を保存しないよう勧めています。職場でのAIによる感情分析は、2025年2月2日からAI Actで禁止されています。DPOと確認してください。
- 不採用の候補者の面接メモはどれくらい保存できますか?
- CNILのガイドでは、不採用理由の説明のために選考終了から最長3か月、人材プールとして最後の連絡から最長2年(同意、または通知と簡単な拒否権が前提)、証拠保全として決定から最長5年とされています。国によって異なるため、ルールを文書にして全員に適用してください。
- ユーザーインタビューの記録はどう書けばいいですか?
- 発言はそのままかぎかっこで会話の時点と一緒に書き、相手が実際にしていることとするだろうと言っていることを分け、仮説は別の列に書き、名前はコード(P1、P2)に置き換えます。目的、録音、保存期間を参加者に伝え、同意を記録してください。
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