投資家ミーティング向けAIノートテイカー、Botなしで
パートナーとの面談にBotは入れず、すべての依頼と懸念をきれいに記録し、検索できる資金調達パイプラインを作る。
この記事の内容
投資家との通話にBotを入れたくない創業者は、自分のパソコンで音声を取り込むノートテイカーを使いましょう。Reline、Granola、OtterとNottaのデスクトップアプリは参加者を追加せずに録音でき、FathomはMac向けにBotなしの録音をベータ提供しています。投資家側の参加者一覧には何も表示されませんが、それでも記録することは伝えてください。
VCとの通話でBotが気まずい理由
- 会話より先に入ってくる。Botはベンダー名で参加者一覧に表示され、見慣れないパートナーから「これは何か、録音はどこに行くのか」と聞かれることがあります。最初の数分がその説明に使われ、本題に入れません。
- 投資家の発言が変わることがある。初回面談でいちばん価値があるのは率直なフィードバックです。なぜ見送る可能性があるのか、市場やチームの何が気になるのか。目に見える録音者は、すべての言葉が残ることを全員に思い出させます。
- そもそも入れないことがある。多くのファンドは自社のZoom、Teams、Google Meetで通話を主催しており、管理者は外部のBotを待機室やロビーで止めたりブロックしたりできます。
- 印象を決めてしまう。パートナーとの初回面談にBotを送ると、営業リードのように扱っている印象を与えかねません。タームシートの前に築きたい関係とは正反対です。
Botなしのノートテイカーなら、通話に何も参加しないのでこうした問題は起きません。メモを取る人が聞くのと同じように、自分のマイクとパソコンの音声を録音します。ただし、相手に伝える義務はなくなりません。
創業者が投資家との通話で使うBotなしノートテイカー
| ツール | Botなしで録音する方法 | 投資家との通話で知っておくこと | 無料プラン | 有料プラン(年払い、1ユーザー/月) |
|---|---|---|---|---|
| Reline(当社製品) | macOS、Windows、Linux(ベータ)、ブラウザで、マイクとシステム音声をローカルで取り込み。全プラン対象 | 録音が残るので、懸念点を後から聞き直せる | 月10時間の文字起こし、1ノート1時間まで | Professional 12ドル(月払いは15ドル) |
| Granola | デバイスの音声、Botなし | 文字起こし後に音声が削除されるため、聞き直せない | Basic:30日分の履歴 | Business 14ドル(掲載の月額) |
| Fathom | 標準はBot。MacでBotなし録音をベータ提供 | パートナー面談の前に、ベータが自分の環境に対応しているか確認 | 録音と文字起こしは無制限 | Premium 16ドル(月払いは20ドル) |
| Otter.ai | Mac/Windows向けデスクトップアプリはBotなしで録音 | デスクトップアプリを使わない場合、アシスタントがZoom、Teams、Meetに参加する | 月300分、1回30分まで | Pro 8.33ドル |
| Notta | Mac/Windows向けデスクトップアプリ | 無料プランは1回の録音が3分で止まる | 月120分、1回3分まで | Pro 8.17ドル |
| Fireflies.ai | デスクトップアプリとGoogle Meet用Chrome拡張機能 | Botなしの録音では音声・動画ファイルが保存されない | AI要約は制限あり、チームで400分の保存容量 | Pro 10ドル(月払いは18ドル) |
出典(2026年10月20日確認):granola.ai/pricing、fathom.ai/pricing、otter.ai/pricing と otter.ai/desktop、notta.ai/en/pricing、fireflies.ai/pricing と Fireflies ヘルプセンター、reline.so/pricing。価格は税抜きの米ドルで、頻繁に変わるため購入前にご確認ください。
Botなしは「無断」ではない:投資家との通話での同意
日本では、会話の当事者による録音そのものを一律に禁じる法律はありませんが、録音データは個人情報保護法の対象になり得ます。米国では、Reporters Committee for Freedom of the Pressによると、連邦法は一方の当事者の同意で足りますが、カリフォルニア、フロリダ、イリノイなど約11州は原則として全員の同意を求めます。EUと英国ではデータ保護法が適用されます。創業者と投資家が別の国にいることも多いため、最も厳しいルールに合わせましょう。
法律は最低ラインにすぎません。本当の理由は信頼です。何も言わずに録音されていたと後で知った投資家は、ほかに何を隠しているのかと考えます。確認は10秒で済みます。招待に一文を入れておきましょう。
会話に集中するため、ノートパソコン上のAIノートテイカーでメモを取らせていただきます。通話には何も参加しません。ご希望であればオフにしますので、お気軽にお知らせください。
最初のスライドの前にもう一度伝え、返事を待ちます。
始める前に一点だけ。ご質問を聞き漏らさないよう、ノートパソコンでノートテイカーを動かしています。Botは入りません。よろしいでしょうか。
断られたら録音を止め、「承知しました」と言って手でメモを取りましょう。交渉はしないこと。録音を好まないパートナーは、自分の仕事の進め方を教えてくれているのであり、それも知っておく価値があります。
投資家との通話で記録すべきこと
文字起こしには話された内容がすべて残ります。次の項目を埋めることで、それが行動に移せる情報になります。通話の直後、温度感を覚えているうちに、文字起こしを見ながら記入しましょう。
| 項目 | 書き留める内容 | 重要な理由 |
|---|---|---|
| ファンドとの相性 | ステージ、通常の投資額、リードかフォローか、どのファンドから投資するか | ラウンドをリードできないファンドとの通話をあと3回重ねずに済む |
| 誰がいつ決めるか | パートナーかアソシエイトか、次のステップ(パートナー会議、デューデリジェンス)、日付 | パイプラインは日付つきの次のステップで回る |
| 懸念点 | 投資家自身の言葉で、懸念を一つずつ | 正確な言い回しから資料のどこを直すべきかが分かる。言い換えると見えなくなる |
| 先方からの依頼 | 指標、事業計画、顧客リファレンス、データルームの資料 | そのままフォローアップメールに入れる |
| 自分の約束 | 送る・やると言ったことすべてと、その期日 | 一つでも忘れると勢いを失う最短ルートになる |
| 紹介とシグナル | 紹介を申し出てくれた人、何度も戻ってきた話題 | 「また連絡しましょう」という社交辞令より、本当の関心を示す |
懸念点は創業者がいちばん飛ばしがちで、いちばん得るものが大きい項目です。同じ懸念が4回の通話で出てきたら、それは運が悪いのではありません。次のピッチの改善点です。
通話を投資家パイプラインに変える
- ラウンドごとに非公開のフォルダを作り(例:「Seed 2026」)、投資家との通話をすべてそこに入れます。共有は共同創業者だけにします。
- 各ノートにファンド名、パートナー名、段階を付けます。例:「Acme Ventures、J. Doe、パートナー会議」。
- AI要約を頼る前に、文字起こしと照らし合わせて読みます。要約はあくまで下書きです。名前、バリュエーションや投資額などの数字、約束に聞こえる部分を確認します。
- 24時間以内にフォローアップを送ります。お礼、未回答の質問への答え、依頼された資料、日付つきの次のステップ。文字起こしから下書きし、数字をすべて確認します。
- ファンドごとに一つの表で管理します。ファンド、パートナー、段階(初回面談、パートナー会議、デューデリジェンス、タームシート、見送り)、次のステップ、日付、主な懸念点。
- 週に一度、すべての通話を見直します。2回以上出た懸念は何か、連絡が途絶えたファンドはどこか、期限を過ぎた約束はないか。
- 2回目の面談の前に、初回の通話を読み返し、懸念点の部分を聞き直します。パートナーが気にしていた質問への答えから話を始められます。
プライバシー:残すもの、共有するもの、削除するもの
- 投資家との通話メモには2種類の機密情報が含まれます。まだ誰にも見せていない自社の数字と、投資家の率直な意見です。初期設定で非公開にしておきましょう。
- 文字起こしやAI要約を、他の投資家、アドバイザー、公開チャットチャンネルに転送しないでください。パートナーが通話中に他の投資先や案件に触れることもあります。機密として扱いましょう。
- NDAには頼れません。法律事務所Day PitneyのDavid M. Waizer弁護士は2019年に、プロの投資家はほぼ誰もNDAに署名しないと書いています。関心の高まりに合わせて、機密性の高い情報は段階的に開示しましょう。メモは、何をいつ共有したかの記録になります。
- ツールが音声と文字起こしをどこに保存するか、どのAIプロバイダーが処理するか、データがモデルの学習に使われるかを確認しましょう。
- ラウンドが終わったら、見送りの理由と懸念点は次の調達のために残し、不要なものは削除します。
NDAに関する出典:David M. Waizer、Day Pitney LLP、Mondaq掲載、2019年2月5日(英語)。
Relineで投資家との通話を扱う方法
RelineはMac、Windows、Linux(ベータ)、またはブラウザで、マイクとシステム音声をローカルで取り込みます。そのため、投資家のZoom、Teams、MeetにBotが参加することはありません。文字起こし、AI、保存は当社のクラウドで行い、ホスティングは米国です。通話中はライブの文字起こしが表示され、録音はノートに残るので、どの行も後から再生できます。
- ノートは初期設定で非公開です。ワークスペースのロールだけでは何の権限も与えられないため、ラウンド用のフォルダは共有するまであなただけのものです。
- すべての投資家との通話を対象にチャットで質問できます。例:「チャーンについて質問したファンドは?」。回答は文字起こしの該当行をタイムスタンプ付きで示し、どのノートかを明記します。引用された場面はその場で再生できます。
- AI要約は下書きで、出典は付きません。何かを送る前に、文字起こしと照らし合わせてください。
- GoogleまたはMicrosoftのカレンダーを連携すると、「人物」と「会社」のページが参加者とメールドメインごとにミーティングをまとめるため、同じファンドとの通話が一か所に集まります。
- フォローアップメール用のレンズが、文字起こしからメールの要点を下書きします。
Relineにできないこと:スマートフォンアプリはないため、ポケットからカフェでの面談を録音することはできません。また、現時点でSOC 2レポートはありません。投資家からメモの扱いを聞かれたら、当社のDPAと委託先一覧は公開されています。
よくあるご質問
- Botを参加させずに投資家との通話で使えるAIノートテイカーは?
- 自分のパソコンで音声を取り込むツールです。全プランのReline(Mac、Windows、Linuxベータ、ブラウザ)、Granola、OtterとNottaのデスクトップアプリ、Firefliesのデスクトップアプリ、そしてMac向けのFathomのBotなしベータ。Granolaは文字起こし後に音声を削除し、FirefliesはBotなしの録音で音声を保存しないため、それらの通話は聞き直せません。
- 通話を録音することを投資家に伝える必要はありますか?
- 多くの場合、必要です。米国の連邦法は一方の当事者の同意で足りますが、カリフォルニア、フロリダ、イリノイなど約11州は原則として全員の同意を求め、EUではGDPRが適用されます。日本でも録音データは個人情報保護法の対象になり得ます。確認は10秒で済み、信頼を守れます。法的助言ではありません。
- Botなしのノートテイカーは投資家から見えますか?
- 通話に参加者は加わらず、会議プラットフォームは自分のパソコンで取り込んだ音声を検知できません。だからこそ、伝えるのはあなたの役目です。通話の冒頭と招待の両方で伝えましょう。
- 創業者は投資家との通話で何をメモすべきですか?
- ファンドとの相性(ステージ、投資額、リードかフォローか)、誰がいつ決めるか、投資家自身の言葉での懸念点、送るよう頼まれたもの、自分が約束したことと期日、申し出のあった紹介。これらがフォローアップメールとパイプラインの材料になります。
- 通話のメモを投資家に送るべきですか?
- 回答と依頼された資料をまとめた短いメールを送りましょう。文字起こしやAI要約は送りません。生のメモには自分の反応や投資家の率直なコメントが含まれ、どちらも外に出回ることを想定していません。
- 投資家との対面の面談でもAIノートテイカーを使えますか?
- デスクトップのノートテイカーなら、ノートパソコンのマイクで部屋の音声を録音できます。ただ、開いたノートパソコンはカフェでの面談の雰囲気を変えます。事前に確認するか、終わった直後に6つの項目を記憶から書き出しましょう。Relineにスマートフォンアプリはありません。
関連記事

投資銀行のディール会議で使えるAI議事録ツールは?
ディールチーム向けの中立ガイド。MNPIと情報隔壁、SEC Rule 17a-4とFINRA Rule 4511の記録保存、ベンダーへの質問、録音すべきでない場面を整理します。

Bot を会議に呼ばずに AI 議事録を取る方法
会議 Bot は見込み客が望まなかったブランド露出の瞬間であり、IT 部門が審査せねばならないセキュリティ面であり、規制された通話で破綻するワークフローだ。デバイス上録音の仕組み、チーム規模でのスケール、そしてそれを実現する具体的なスタックを解説する。

会議後のフォローアップメールを文字起こしから自動作成する方法
会議の文字起こしから数分で議事要約メールを作成。5つの構成要素、コピペで使えるテンプレート、送信前に約束事項を確認する手順を解説します。